ホームページで「顔認識」実現-多摩のベンチャー、無料で一般公開

「detectFace();」を使ったホームページ「ぱんだら。」

「detectFace();」を使ったホームページ「ぱんだら。」

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 ソフトウエアの企画・開発などを行っているインクリメント(多摩市落合2)は5月21日、サイト上で顔の認識を無料で行うサービス「detectFace();」のアルファ(開発途上)版を一般公開した。

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 昨年6月創業の同社は、さまざまなソフトウエア開発を行う中、顔認識の研究を続けてきた。「顔認識に関するソフトウエアの歴史は実はかなり古く、わたし自身も10年以上、この分野でソフトウエアの開発を行ってきた」と同社社長の鷲巣悟さん。同サービスは仕事の傍ら、昨年秋ごろから開発を始め、基本的に1人で開発を進めてきたという。「創業するにあたって、ゼロから新しい顔認識エンジンを開発し、開発成果の告知としてウェブサービスという形が有用かと思った」。

 今回公開したのは、ソフトウエアから機能を利用するための窓口になる「API」と呼ばれるもの。主にサイト上での顔認識をターゲットに開発を進めた。顔の写真を基に輪郭や目、鼻、口の位置など「人間の顔らしい領域」を認識。処理結果として、50カ所にも及ぶ「特徴点」の座標をXML形式で出力する。開発者やウェブデザイナーはこの結果を使って、さまざまなソフトウエアを自由に開発することが可能。「顔の位置を取得する手段はほかにもあると思うが、まゆ、目、鼻、口といった顔器官の位置情報を取得できるライブラリーは無料では少ないと思う」と鷲巣さん。

 同サービスのサイトでは、APIを利用したサンプルサイト「ぱんだら。」も公開。同サイトでは、ユーザーがアップロードした個人の写真や集合写真を使い、その人の顔の作りに合わせてパンダの顔に変換。「パンダ顔」に変わった後の写真をダウンロードすることができる。このほか、今後はツイッターと連携するアプリケーションの提供なども予定。鷲巣さんは「顔に関連したシミュレーション、占いなどのほか、わたしたちが思いもつかなかったアプリケーションが開発されると大変うれしい」と利用の広がりに期待を寄せる。

 「APIという技術的な内容にもかかわらず多くのアクセスをいただいている。ツイッター上でも関連するツイートを多く見かけるので、開発の励みになっている」とも。開発は今後も進めるが、ベーター版、正式版の発表時期は未定。

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